人間関係の悩みやストレス、不安を抱えている人は多い。「緊張で心臓のドキドキが止まらない」「失敗したらどうしようと不安になる」「本番に弱い自分が嫌いだ」、そんな自分を変える元刑事のメンタル強化術『刑事(デカ)メンタル 絶体絶命のピンチでちびってしまう人でも動じないハートが手に入る!』を紹介。刑事生活20年。ガサ入れ、犯人確保、張り込み……修羅場という修羅場を潜り抜けてきた元警部による「心を強く保つ習慣」です。常に死と隣り合わせの環境下で巨悪と戦い、人を疑い、時には一般人に罵倒されながらも正常な心持ちで戦うために開発してきた、圧倒的自信と活力が楽しく備わる最強メンタルメソッドを手に入れてください。

刑事が実践しているメンタルを鍛える方法Photo: Adobe Stock

宗教団体の主犯格から教わった方法。
瞑想で心を落ち着かせるワザ

 ある宗教団体の詐欺事件を担当したことがある。二束三文の壺などを新たな信者に高値で売り付けて暴利を貪るというよくある悪質商法事案だった。彼らは道場朝夕瞑想をすることを日課としていた。取り調べで代表に聞いてみた。

「瞑想はどんな効果があるんだ? 何のためにやらせてるんだ?」
「刑事さん、ここだけの話ですが、信者を無心にさせるためです。いわば洗脳してるわけで。余計なことを考えるようになると都合が悪いですから」
「ほー、なるほど。恐ろしいことを考えるもんだ」

 捜査の必要上、書物で調べると、この代表が言うとおり、瞑想は無駄なことを考えず、メンタルを鍛える方法としてさまざまな分野で取り入れられていることがわかった。うつ病の改善のためにも取り入れられているらしい。

 ちなみに瞑想は深くゆっくり呼吸をしながら姿勢を正し、肩に力を入れないで目を閉じて自分の息の音に集中するだけだ。誰でも簡単にできる。

 それ以来、オレも警察署の道場などで暇を見つけては無心になるため瞑想するようになった。

 特に捜査がうまくいかなくて不安になり、いわば「迷走」してるときの「瞑想」は集中力も高まって名案が浮かび、不安がなくなったものだ。

 ちなみにこれはダジャレではない、ほんとの話だ。

 ただオレの経験上、瞑想は腹が減っているときはやめたほうがいい。やるなら飯を食った後だ。空腹でお腹がグーグーなり始めると無心どころか食い物で頭の中がいっぱいになる。瞑想も食欲には勝てないらしい。