組み合わせる7速DCTは、小気味よくタイトにエンジントルクを伝達。力強さを後押しする。その一方、微低速シーンではわずかなアクセル操作に対し少々ナーバスで軽いショックを伴うこともあった。

完成度高いが、
ブランドを支える存在としては…

 フットワークは優秀。4輪の接地感がつねに濃厚で、安定感に富んだボディコントロール性を示すのは大きな美点である。

 ただし、乗り味は全般にやや硬質だ。

 この点は評価が分かれそう。剛性感の高いボディがたちまち振動を減衰させてしまうので不快感は少ないが、それでも「もうワンランク優しいサスペンションセッティングが望ましい」という意見もあるだろう。

 アウディは、装備の充実度や内装の優れた質感で定評がある。A1の場合、各部はダッシュアッパー部分を除いてハードパッド仕上げ。アダプティブクルーズコントロールはオプション扱いで、しかも全車速対応ではない。この点は明らかに物足りない。

 A1のボディサイズは全長×全幅×全高4040×1740×1435mm。取り回し性に優れ、造形はスタイリッシュ。室内の広さとユーティリティ性に関しても、完成度は高い。

 とはいえブランドを支える存在として、“これがA1ならではの特徴”といえる、固有の魅力がほしいと思う。

(CAR and DRIVER編集部 報告/河村康彦 写真/小久保昭彦)

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