今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「従業員の平均年齢が30代で年収の低い企業ランキング」を作成した。本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。単体の従業員数が20人未満の企業は除外している。対象期間は、2019年6月期~20年5月期。

 早速、ランキングを確認していこう。

平均年齢30代で年収が低い企業ランキング
上位10社中5社がサービス業

 1位となったのは、アクシーズで266.4万円(平均年齢35.0歳)だった。鹿児島県に本社を置く企業で、鶏肉や鶏肉加工食品の製造や販売などを手掛けている。

 2位は、HANATOURJAPANで293.1万円(平均年齢33.1歳)。同社は、韓国の大手旅行会社ハナツアーの日本法人で、訪日観光客向けに旅行事業などを行っている。今回のランキングの対象期間となった2019年12月期においては、新型コロナウイルスの影響はなかったものの、日韓関係の悪化などの影響を受けて売上高は65億9300万円で前期比16.4%減、営業利益は同70.6%減の2億7000万円(ともに連結業績)という状況だった。

 コロナ禍においては、ほかの旅行会社と同様に大きな打撃を受け、業績はさらに厳しい状況だ。20年12月期は、売上高は9億4800万円で85.6%減、21億8600万円の営業赤字となっている。

 HANATOURJAPANは、21年2月15日に公表した20年12月期決算短信において、「レンタカー事業の譲渡、全事業人員削減、旅行事業における営業拠点の統廃合、バス事業の休止」などの固定経費見直しに注力したとしている。

 20年12月期の有価証券報告書は本稿執筆時点でまだ公表されていないが、そこに記載されることになる平均年収の数字にも同社の苦境が反映されることになりそうだ。