新型コロナウイルスのワクチン接種が医療従事者を対象に始まった。コロナワクチンは筋肉注射で行われる。日本では、皮下注射が中心で、多くの医療従事者には「不慣れな手技」であるという。一般の注射器では1瓶で5回しか接種できない新型コロナ用ワクチンを、糖尿病患者向けのインスリン用注射器を使えば、7回接種できることを見いだして公表した宇治徳洲会病院末吉敦院長が、今回の職員へのワクチン接種でデータを検証し、気がついた点などを語った。特に高齢者への接種の場合、注射器の針が骨に当たってしまう事象が高確率で発生することを予測、「勢いよく針を刺すなどの行為はしないように注意すべき」と警告している。(ダイヤモンド編集部 山本猛嗣)
コロナワクチンは筋肉注射
日本では経験がない医療従事者も
――新型コロナウイルスのワクチンは筋肉注射とされています。一方、日本の多くのワクチン接種は皮下注射です。なぜ、今回のコロナワクチンは筋肉注射なのですか。
新型コロナウイルスのワクチンは、緊急事態ということもあり、これまででは考えられないほど短い期間で開発されました。これら臨床試験は筋肉注射で行われたため、有効性を示すデータが筋肉注射しかないからです。
海外に比べると、日本はワクチン接種を含め、ほとんどが皮下注射です。多くの医師、看護師は筋肉注射という手技の経験がありません。