「『腎内科クリニック世田谷』は、患者さんに『元気で長生き』していただくことを理念に、できることはなるべくやろうとスタッフ一丸でやっています。

 無酢酸透析(AF HD)、オンラインHDF(血液透析濾過)、間歇補充型HDF(I-HDF)療法、長時間透析、オーバーナイト透析、在宅血液透析(HHD)、腹膜透析(PD)、PD+HD併用療法等、より高品質で安全な透析の実現を目指し、充実させています」

 それぞれの療法についての説明は長くなるのでここではしないが、「透析には質がある。質の高い透析を受ければ、生活の質も余命もぜんぜん違ってくる」と菅沼院長は力説する。

「透析歴49年の患者さんは、前の施設では従来型のオフラインHDFを受けていたのですが、あまり具合が良くなかったとのことで、うちでは最新のオンラインHDFを受けていただいています。それでおっしゃるのは『体調はもちろんよくなったけど、何よりも、肌が白くなった』と。オンラインHDFは、透析では抜けにくい尿毒素が抜けるので、肌の透明度が上がるんですね。女性の患者さんにとっては、そんな美容効果がうれしいみたいです」

 患者の「元気」を支えるのは、透析と並んで力を入れている食事療法だ。

「うちで2番目に長い、透析歴47年目の患者さんが以前、こんな名言をおっしゃいました。

『教科書通りにやっていた人はみんな死んじゃった』と。その方の周りで先に亡くなった患者さんは皆、食事制限をしっかりと守っていた人たちだったんですね。『カリウムは控えめに』とか『リンは控えめに』とか教科書通りの食事制限をしていたら、栄養状態が悪くなったのです。

 意外に思うかもしれませんが、まったくその通りなんです。最近は、われわれ健常者でも高齢者はそうですが、透析患者さんの場合も多少は太っている人の方がむしろ長生きすることが分かってきました。

 普通は、透析患者さんを採血して、カリウムの値とかが増えていると『何食べたんですか!』と怒る医療従事者が多いみたいですが、僕の場合は『透析量を増やせばいい。しっかり食べて、しっかり動いて、しっかり透析!』と言います。だから、その患者さんは気にせず食べて、体格もまあまあ立派で、元気に長生きしています。教科書とか、周りの声に惑わされずにわが道を行くのが大正解で、良好な生命予後につながったのです」

 透析歴47年目の患者さんが正しかったのは、気にせず食べたことではなく、気にせず食べても大丈夫なようにしてくれるクリニックを選んだことなのではないだろうか。