コロナ禍で、通院頻度が高い透析患者の院内感染リスクが指摘される中、自宅で人工透析を受ける「在宅透析」が注目されている。しかし、日本の在宅透析の普及率は0.2%と著しく低い。その理由や実情について、腎内科クリニック世田谷(東京都)の菅沼信也院長に取材した。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

激増する「受診控え」の一方で
逃げ場がない透析患者の苦悩

菅沼信也院長
菅沼信也・腎内科クリニック世田谷院長。東京女子医科大学腎臓病総合医療センター血液浄化療法科 非常勤講師。臨床腎臓病学を専門とし、特に慢性腎不全(Chronic Renal Failure:CRF)の治療を得意分野とする。 Photo by Hiromi Kihara

 2021年になっても、コロナ禍は収まらない。「頼みの綱」であるワクチンの本当の有効性や安全性が見えてくるのも、まだ先のこと。そんな、誰がいつ感染してもおかしくない現状で、最も恐怖を感じているのはやはりハイリスク群とされる高齢者と基礎疾患がある人たちだ。

 結果、激増しているのが「受診控え」である。

 2020年11月、産経新聞社と大阪病院(大阪府)が、なんらかの持病を持っている人に定期受診(通院)について聞いたところ、「(コロナ禍でも)ずっと変わらず通っている」が73%を占めた一方で、「受診に行く回数が減った」は14%、「減っていたが最近は以前同様に通っている」は13%で、合わせて27%に上った。