ユウコさんは厚労省の夜間電話相談で、有期労働契約が5年を超えて更新された場合、意思表示することによって無期労働契約に転換できる権利があることを知った。

 でも1人では行動を起こす自信がない。後押しをもらうために、インターネットで検索して見つけた一般合同労働組合(ユニオン)に加入した。

「厚労省の夜間電話相談もうれしかったですし、絶対に支援者が不可欠だったので、1人で動くのは危険と判断してユニオンに入りました」

「雇い止め通告」から半月後、ユウコさんは退職勧告の返事として、ユニオンにも同行してもらって労働契約の無期転換の申込書を提出した。

 会社側からは、営業所の所長と人事課長が来て、申込書を受け取った。そして昨年12月中旬、会社の人事課長から「無期転換します」と電話があったという。

 しかしその後、何も連絡がなかったため、団体交渉を申し入れた。今年1月から2月にかけて団体交渉は2回行われたが、3カ月分の賃金相当額を支払った上で「3月31日をもって合意退職」を提案する会社側と平行線をたどった。つまり、労働契約法の改正に伴う無期転換ルールが無視されていたのだ。

「団体交渉後、『無期転換します』など一度言ったことがなかったことにされ、悲しい思いをしています。また、他の拠点でも同じ非正規雇用の人たちに雇い止めを行い、その人たちが泣き寝入りさせられていることが分かりました。正社員には手を付けられないから、やりやすい非正規労働者で雇用調整している感じです」(ユウコさん)

リーマンショックを超える規模で
新たな「ひきこもり層」出現の予感

 そして今年2月、会社から「3月31日の期間満了日をもって、すべての雇用契約は終了とする」などと記された「雇止め及び契約満了通知書」が郵送されてきた。

 この間、ユウコさんは厚労省の出先機関である労働局にも行って、「無期転換を申し込んだ人に雇い止めを通告するのは、労働契約法上、違法行為に当たるのではないか」と訴えた。労働局は会社を指導したというものの、十分には機能していないように感じた。