人間関係の悩みやストレス、不安を抱えている人は多い。「緊張で心臓のドキドキが止まらない」「失敗したらどうしようと不安になる」「本番に弱い自分が嫌いだ」、そんな自分を変える元刑事のメンタル強化術『刑事(デカ)メンタル 絶体絶命のピンチでちびってしまう人でも動じないハートが手に入る!』を紹介。刑事生活20年。ガサ入れ、犯人確保、張り込み……修羅場という修羅場を潜り抜けてきた元警部による「心を強く保つ習慣」です。常に死と隣り合わせの環境下で巨悪と戦い、人を疑い、時には一般人に罵倒されながらも正常な心持ちで戦うために開発してきた、圧倒的自信と活力が楽しく備わる最強メンタルメソッドを手に入れてください。

刑事が実践している、つらいときに自分を鼓舞する方法Photo: Adobe Stock

誰も信じてくれないなら、
自分のことくらい信じてみたらどうだ

 人間は弱い。「おぎゃー」と生まれてから独り立ちするまで、この世に存在する生物の中で最も長く親の世話になるし、警察にお世話になる人間もいる。お世話になるといっても生活の面倒を見てもらえるわけではないぞ。

 ……人の道を外れてしまった人間を更正させるのもオレたちの仕事だ。ちょっとした出来心で犯罪に手を出す者もいる。心が弱いのだ。そんなときに、よく伝えていた言葉がある。

「信汗不乱(しんかんふらん)」

 元プロ野球監督の仰木彬(おおぎあきら)氏の造語だが、「己の信じる道で汗をかいて一生懸命やれば、迷うことはない」という意味だ。自分の信じた道で迷うことなく努力しろ、そうしたら結果はおのずとついてくるというわけだ。

 人間なんていくら努力しても結果が出ないこともある。何年取り組んでも、自分では死ぬほど努力したと思っていても、神様は望む結果を出してはくれない。しかし、それでも諦めずにくらいついていたら必ず結果は伴ってくるものだ。

 オレも失敗を重ねてきた人間だが、うまくいかなくて落ち込むときがあった。そんなときに、この言葉を思い出して自身を鼓舞したものだ。

 そんな話を並べたところで、「刑事さ~ん」と言って、刑事ドラマのように泣くやつはいなかったが、説教されたことのないやつもいたわけで、「誰も信じてくれないなら、自分のことくらい信じてみたらどうだ」と、よく言ったものだ。

 この言葉に限らず、くじけそうになったときには自分の好きな言葉を思い出してほしい。きっとキミが先に進む力になるはずだ。

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