千葉、大阪、福岡…
東京への人口流出を免れた県

 東京都と似た動きを示しているのが愛知県だ。転出者数こそ減ったが、転入者数の減少が2番目に大きく、1万2002人も減っている。転入者数の減少3位は埼玉県で7192人減、4位は千葉県で5508人減、5位は神奈川県で5118人減。都市圏を中心に、地方からの流入が減っていることがわかる。

 転出者数に目を向けると、東京都への人口流出が減ったことで転出者数が減り、結果、例年と比較して人口が増えた県が多い。1位は千葉県で1万243人減、2位は大阪府で8431人減、3位は福岡県で7305人減、4位は愛知県で6637人減、5位は神奈川県で5083人減となる。

 日本全体で10万人以上の転出が減り、東京のみが転出が増えていることから、46道府県内にとどまる人が増えたことになる。千葉県、大阪府、福岡県、愛知県、神奈川県は、東京に人を輩出していた代表的な県だ。東京などの都市部に若い人が出ていくのが当たり前の市区町村は、2020年に限っては、流出をかなり免れたことになる。

東京の最大の特徴は
「地方出身者の集まり」

 東京23区には 、2020年現在、950万人が住んでいる。これは日本の総人口の7.5%に相当する。

 しかし、東京23区(以下、都区部)に「一度でも住んだことのある人」は2600万人を超える。これは毎年の転入者数を60年分合計した数字だが、日本の総人口の5分の1を超える。これだけ、都区部に住所を移した人は多いのである。「一度でも住んだことのある人」の中で居ついた人がこのうちの2割だとしても520万人。現在の都区部の人口の55%に及ぶ。

 2020年も約38万人が都区部以外から都区部へと引っ越してきている。38万人は現在の都区部の人口の4%であり、このペースで増えていけば、あと25年で都市部の人口(950万人)と同じになる。

 また、都区部で生まれた人はこの60年で560万人ほどしかいない。今でも都区部に住んでいるのは少なくともこれより少ない。「江戸っ子」(江戸で生まれ江戸で育った人)は少数なのである。これらの結果から、都区部の地方出身者の数は、おおよそ半分を超えると考えられる。都区部の最大の特徴は「地方出身者が多い」ということがデータでも明らかだ。