シリコンバレーで工業デザイナーとして働くベン・タンさんは1年ほど前、6歳の娘と公園内を歩いていた際に、若い男たちのグループにつばを吐きかけられた。  この出来事に彼はいら立ちを感じた。20年前に中国から移住し、その後米国市民となった彼は、その間に米国内の人種差別を経験してきたが、身の危険を感じたことは一度もなかった。しかし彼は現在、子どもたちと一緒に歩く際に、一層の警戒が必要だと感じている。  タンさんの転換点は、今年3月に銃を持った男がアトランタ周辺の3軒のスパで8人を殺害した事件だ。被害者のうち6人はアジア系女性だった。