米海軍は6日、空母セオドア・ルーズベルトを中心とする空母打撃群が「通常オペレーション」として南シナ海に入ったと発表した。その近くのフィリピン沖海域では、中国の海上民兵がフィリピンと対峙(たいじ)していた。こうした中国の挑発と時を同じくして、ロシアはウクライナ国境付近で兵力を増強している。バイデン米政権のリベラルな多国間協調主義モデルは、米国の利益を損ねることを試みる修正主義の大国に対して抑止力になり得るだろうか。現在の状況は早期の試金石となるかもしれない。フィリピンは先月、中国の民兵が乗った船舶がフィリピン西方のウィットサン礁に集結したことで警戒感を強めた。船舶の数は一時220隻にも上った。中国軍と連携したこの船団は、ロシアの「リトル・グリーン・メン(ウクライナ危機の際のロシア軍の覆面兵士)」の海上版に相当するもので、漁船団に見せかけることで、領有権問題がある海域を囲い込む際に中国政府の意図を隠蔽(いんぺい)することを可能にしている。
【社説】バイデン氏、「大国」にふさわしいか
フィリピンを脅かす中国、ウクライナを揺さぶるロシアの攻勢に対抗するには
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