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刑事が実践している、愚痴も無駄も肯定できる方法Photo: Adobe Stock

愚痴を言いたくなったら言葉を変換してみる

 刑事の世界では「捜査は無駄の積み重ね」とよくいわれる。

 犯行現場の近辺で聞き込みを何千件しても、車両検問を何百台しても犯人に結びつく情報が一件もないことがある。

 雨風の中、炎天下の中、あるいは極寒の中、厳しい現場での捜査は毎日続く。やはり、Mっ気があるのかもしれないな。刑事の性(さが)か……。

 しかし、刑事も人間だ。愚痴をこぼしたくなることもある。

「目撃者はいないのではないか」
「犯人につながる証拠は見つからないのではないか」

 しかし、見る角度を変えてみると、これらの無駄とも思える捜査が実は犯人に近づいていることに気付く。愚痴を言いたくなったら言葉を変換してみるのだ。

「目撃者がたまたまいないだけだ。時間帯を変えたら目撃者は必ずいるはずだ」
「見方、調べ方が悪いから証拠が見つからないだけだ」

 やらなきゃ前へは進めない。愚痴は成果の出ない不安や悩みの感情の表れにすぎない。愚痴が出るのは行動している証拠だ! ポジティブな言葉に変換していけば、必ずいい結果に近づいていく。

 愚痴をこぼして事件解決を取りこぼしては何も始まらない。無駄と思われる地道な捜査でオレは数々の事件を解決してきた。無駄という語は、「馬に積んだ荷物がない状態だと金にならない」からきている。お金のためにやっているわけでないので、無駄という言葉は、オレらにとってはゲン担ぎのようなものだ。無駄も愚痴も行動あってこそ。そこに気づいただけでも価値があるのではないか。

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