金メダルの選手や、成功している経営者は
皆知っている「その気」をコントロールする方法

 私は1970年代から科学的なメンタルトレーニングの研究を始め、30年以上にわたって、スポーツ、ビジネス、受験など、あらゆる分野でツキと運に恵まれた成功者を数多く輩出してきました。ビジネスよりもスポーツのほうが、結果を残すのは難しいものです。

 オリンピック出場であれば、種目にもよりますが、日本で数人しか選ばれないトップに入らなければ出場できません。それも4年に一度のタイミングが大切です。オリンピック以外であっても、スポーツの試合で優勝するには1位でなければいけません。

 たとえば、私どもが指導した北京オリンピックで優勝し金メダルを獲った日本女子ソフトボールのみなさん。2日間で3試合、上野投手は連投に次ぐ連投で指のマメが破れ、万全とは言えない状態でしたが、絶対に勝てるという「その気」で400球以上投げ、勝利をもぎ取りました。

 また指導に入る前はまったく無名で「甲子園よりもまずは地区大会で勝ちたい」と言っていた駒大付属苫小牧の野球部のみなさん。本気で優勝旗を持って帰りたいという「その気」になったからこそ、甲子園で優勝することができました。ほかにも「その気」を引き出せたからこそ、あっと驚く結果を残している選手たちは大勢います。

 これはすべて「自分にできる!」と思い、行動する「その気」のおかげです。

 大きな目標があったときに、「その気」になれずに、最初から「無理だ」とか「できっこない」と思った人は、脳が優秀すぎる方です。今までの経験、失敗、蓄積された情報から「失敗したくない」という感情が芽生えてしまうのです。これをどうやって切り替え、自分を「その気」にさせるか。それが人生を変えていく「その気の法則」です。

 「その気」になることは、脳の機能を活用すれば決して難しいことではありません。ただし、「その気になった気」で終わってしまう人もいます。そんな宙ぶらりんな状態で終わらないためには、脳を完全に「その気」にさせてしまうこと。

 やるからには、正しく徹底的に「その気」の術を身につけてください。この本を読むことで、みなさんが「その気」になって、どんどん幸せになり、その幸せが増えるにつれて世の中が良くなればこんな嬉しいことはありません。

 次回以降は、「その気」になるための具体的な方法を、脳のしくみとともに解説していきます。

(次回の更新は10月26日を予定しています。)


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