しかし、現実は地域の医療機関での連携が取れていなかったり、そもそも受け入れてくれる開業医や中小病院などが不足している地域もあり、計画自体が形骸化している。その結果、次の受け入れ先が見つからないまま放り出される患者が後を絶たないのだ。

 今年行われた診療報酬の改定では、在宅医療の充実に予算が投じられたが、誰もが安心して地域で医療を受けられる状態にはなっていない。

 こうした状況を改善するには、国や医療機関が率先して在宅医療の充実、地域連携を強化していくのはもちろんだが、市民も国がどのような医療体制を築こうとしているかを理解しておく必要があるだろう。

 超高齢化社会に突入し、医療機関の機能分化が図られている今、病気やケガをしても、これまでのようにひとつの医療機関で最初から最後まで治療してもらうのは難しくなっている。安心して医療を受けるには、自分の病気の状態に合わせて、適切な医療機関の規模を選んで受診しなければならない。

 しかし、素人が適切な医療機関を見つけるのは難しいことだ。いざ病気になったときに何でも相談できるように、ふだんから信頼できるかかりつけの診療所を見つけておくことが大切だ。