介護業界で「離職が多発」する根本的な理由近年、要介護者が増えているにもかかわらず、介護職員の相次ぐ離職が大きな問題になっている Photo:PIXTA

介護現場の人手不足が深刻化

 今年4月、介護報酬が改定された。厚生労働省は、団塊の世代が75歳になる2025年に向けて介護のDX化を進めていく方針だ。見守り機器の導入やICTを活用して介護職員の負担を減らすことを目的としている。

 しかし実際の現場では、依然として職員の離職率が高いままだ。2019年の公益財団法人介護労働安定センターの調査によると、離職者の60.2%が就業後3年未満で辞めている。さらに33.1%が1年未満で離職しているのが現状だ(いずれも正規職員)。介護が必要な高齢者は増え続けているが、一方で担い手が一向に定着せず、人手不足が深刻化している。

 この問題を解決しようと開発されたアプリがある。それが「介護thanks!」だ。

 このアプリは、介護施設で働く人が「ポジティブな発信」を贈り合うことを主目的にしている。良好なコミュニケーションをとり、働き手のチームワークを高め、より良いサービスを提供するために開発された。どういった効果が期待されるのか、開発を行ったトライト営業企画部法人営業課長・柳田友さん、経営企画本部経営企画室主任・秦彩香さんに取材を行った。