――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター   ***  ある統計では、米労働市場の窮状が示されている。雇用総数は3月の増加にもかかわらず、依然として新型コロナウイルス感染流行前を840万人下回り、2007~09年のリセッション(景気後退)からその後にかけての最悪期と同水準にある。  米連邦準備制度理事会(FRB)によると、6%という失業率は2009年より低いものの、労働力から脱落したり、誤って分類されたりして失業者にカウントされない人々を加えれば9%を超えている。