ある統計では、米労働市場の窮状が示されている。雇用総数は3月の増加にもかかわらず、依然として新型コロナウイルス感染流行前を840万人下回り、2007~09年のリセッション(景気後退)からその後にかけての最悪期と同水準にある。米連邦準備制度理事会(FRB)によると、6%という失業率は2009年より低いものの、労働力から脱落したり、誤って分類されたりして失業者にカウントされない人々を加えれば9%を超えている。つまり、求職者数が求人数を圧倒的に上回り、労働市場のスラック(需給の緩み)は極めて大きいように見える。奇妙なことに、それは別の統計が示している状況とは異なる。ある統計では、労働市場が引き締まっているように見え始めているのだ。
米労働市場は見た目よりひっ迫、埋まらぬ採用枠
労働者の復帰が遅れればインフレの懸念要因にも
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