森本元防衛相Photo by Toshiaki Usami

発足して3カ月、バイデン米政権の外交・安全保障政策で目立つのが、覇権を脅かす中国に対する強い姿勢だ。4月16日の菅義偉首相との初の日米首脳会談でも米国側の強い意向で、共同声明に「台湾」が明記され、中国の軍事的活動で緊張が高まる「台湾海峡の平和と安定」での日米の協調が共同声明に盛り込まれた。米国内では中国の台湾進攻が「6年以内にあり得る」との見方もあり、「台湾有事」が現実味を帯びて取りざたされる。米中“新冷戦”のもと、米国との一方的な関係強化は日本の国益に合致するのか、台湾有事になれば日本は巻き込まれることはないのか――。外交安全保障政策の専門家である森本敏・元防衛相に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部編集委員 西井泰之)

「対中国抑止」は米国だけでは難しい
最大の関心事は日本の支援と協力

――日米首脳会談でも、バイデン政権の中国への強硬な姿勢が浮き彫りになりました。どう受け止めますか。