バイデン氏は、反トランプとして大統領選挙で勝利した。そして、大統領任期の最初の何カ月かにわたり、この人物像の恩恵を受け続けている。国民の半数は、大統領が居間のテレビの中で騒々しくまくし立てる人物でなくなったことだけでも、安堵(あんど)を感じている。バイデン氏の能力不足による必然であれ、計画的なものであれ、公の場への登場機会を限定する判断は賢明だった。バイデン氏は、4年間にわたったトランプ氏の嵐の後に訪れた静けさとなった。民主党のバイデン氏はタイミングの面でも幸運に恵まれた。同氏が大統領に就任した時には、ワクチンの供給が始まろうとしていた。新政権がコロナの大混乱を引き継いだかのような見せかけはナンセンスだ。ワクチンの生産計画はすでにできていた。一部の州では、ワクチンの需要が供給を上回る中で接種に混乱が生じたが、新政権の主な仕事は、すでに進行していたワクチン配布を加速させることだった。