エヴァンゲリオン初号機の巨大像
中国・上海で開催されたゲームショーの会場に展示されたエヴァンゲリオン初号機の巨大像 Photo:JIJI

「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン」を掲げた「新劇場版」シリーズ最終作、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の興行収入が80億円を突破した。時を同じくして放映された『プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル』(NHK)も、4年以上の取材期間からなる濃密な内容で、大きな注目を集めた。そんな「新劇場版」ブームに先立ち、いわゆる「旧劇場版」と呼ばれる『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』(1997)が当時大きな社会現象を起こしていたことはご存じだろうか?四半世紀以上にわたる「エヴァ」という巨大コンテンツの軌跡を改めて整理していきたい。(フリーライター NordOst〈松島広人〉)

TV版の混乱から最終章へ
「エヴァシリーズ」の異質な内容とは

 初めに、人気アニメ「エヴァンゲリオン」の全体像を整理しよう。大きくテレビ(TV)シリーズと劇場版(映画)シリーズがあり、劇場版の中にも「旧劇場版」「新劇場版」と称されるシリーズに大別される。

「旧劇」シリーズとされるのが『シト新生』(1997後に『DEATH(TRUE)²』へ改題)、『Air/まごころを、君に』(97)であり、「新劇」シリーズとされるのが『序』『破』『Q』、そして現在公開中の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』だ。

 四半世紀以上にわたる「エヴァ」という巨大コンテンツの軌跡を追ってみよう。

伝説の幕開け『新世紀エヴァンゲリオン』
TVシリーズのあらすじ

 95年10月に放映開始された、シリーズの起点となる作品。大災害「セカンドインパクト」が起きた2000年から15年後となる15年の第3新東京市を舞台に、汎用人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなった主人公・碇シンジやヒロインの綾波レイ、惣流・アスカ・ラングレー(新劇場版では「惣流」から「式波」に改名)ら14歳の少年少女たちと謎の敵「使徒」との戦いを描く。

 既存のアニメ作品とは一線を画す謎めいた用語の数々、精神世界へ切り込むストーリー、評論家・大塚英志氏に当時「自己啓発セミナーのようだ」と批判された最終2話のエンディングなどが社会現象を巻き起こし、日本アニメに対して「エヴァ以前/以後」とすら言える革命を起こした。