NordOst(松島広人)
コロナ前以来、久々に下北沢駅に降り立つと、建物や店、歩く人など、目に入るものの雰囲気がかつてのものとは異なっていた。かつて「サブカルの街」と呼ばれていた下北沢は、今「若者の街」として再び注目を集めつつあるのだ。2013年にスタートした下北沢地区の駅地下化とそれに伴う大規模再開発を経て、新たに生まれ変わった街の姿について考察する。

松原みきのデビュー曲「真夜中のドア~Stay With Me」(1979年)がYouTubeで合計1億回以上再生され、Spotifyのグローバルバイラルチャートで1位を獲得したり、竹内まりや「プラスティック・ラヴ」(1984年)がYouTubeで5000万回以上再生され、人気を受けて2019年にミュージックビデオが制作されたりと、1970~80年代のシティポップが人気再燃、改めて評価されるという不思議な現象が起こっている。これらの曲を聴いているのは発売当時のファンではなく、主に海外の、しかも現在10~20代の「Z世代」の若者たちだ。実はシティポップだけではなく、アニメやファッションなどさまざまな「ジャパニーズカルチャー」がZ世代に支持され、Instagram、Twitter、YouTube、TikTokなどネットで広がっている。なぜこのような流れが起きたのだろうか。

コロナ禍においてもなお、勢いの止まらない「サウナブーム」。ここ数年で人気は加速度的に高まり、各地の施設は連日大盛況の様相を見せている。サウナハットや防水対応のスマートウオッチなどを浴場に持ち込み、全国の名店を巡礼する熱狂的な愛好家を「サウナー」と呼ぶことも定着しつつある。もはや、一過性のブームにとどまらず新たなカルチャーとしての地位を築きつつある。ここまで多くの人をとりこにするサウナの魅力とは何なのだろうか?今回はブーム以前から足しげくサウナ・銭湯に通い詰める筆者が、近年の爆発的なサウナブームを整理する。

東京国立近代美術館にて、2021年6月18日から9月26日まで「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」が開催された。国立競技場の設計も務めるなど、日本を代表する建築家として知られる氏の仕事は、なぜ絶大的な評価を集めるに至ったのだろうか。

2021年9月5日、東京・お台場エリアのランドマークと言える一つの施設が18年の歴史に幕を下ろす。「東京お台場 大江戸温泉物語」は閉館のその日まで、変わらず営業を続けていた。ただ一点、それまでとの違いがあるとすれば、閉館直前にそこを訪れた筆者を、18年分の人々の思い出が詰まった感動的な光景が出迎えてくれたことだ。なぜお台場大江戸温泉は長きにわたって多くの人々に愛されてきたのか。感謝の気持ちとともに振り返る。

「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン」を掲げた「新劇場版」シリーズ最終作、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の興行収入が80億円を突破した。時を同じくして放映された『プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル』(NHK)も、4年以上の取材期間からなる濃密な内容で、大きな注目を集めた。そんな「新劇場版」ブームに先立ち、いわゆる「旧劇場版」と呼ばれる『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』(1997)が当時大きな社会現象を起こしていたことはご存じだろうか?四半世紀以上にわたる「エヴァ」という巨大コンテンツの軌跡を改めて整理していきたい。
