世界保健機関(WHO)の独立調査パネル(委員会)は12日に発表した報告書で、WHOはどの国でも脅威となる病原体を迅速に調査する権限を持つべきだと述べた。2020年初めに新型コロナウイルスの感染拡大について公衆衛生上の緊急事態を宣言するまで時間がかかり過ぎたとした。政治家と専門家で構成される同委員会は、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)阻止に向けた初期対応について調べる目的でWHOのテドロス・アダノム事務局長が設置した。報告書では、中国政府に対する批判はほとんどなく、19年後半に新型コロナの感染拡大に警鐘を鳴らした中国人を厳しく取り締まったことについて非難することもほぼなかった。また、国境の閉鎖やマスク着用の義務づけは必要ないとした20年前半のWHOの助言についても詳述していない。報告書の主眼は、疾患の報告や感染症への対応についてのWHOの規則に置かれていた。