ワクチン有効性が低いと言われる中国製ワクチンですが、接種国では一定の効果が見られる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

各国の新型コロナウイルスのワクチン接種状況と新規感染者数の数を見ると、ワクチンの効果は絶大だ。有効性が低いとされる中国製ワクチンを接種しているチリにおいてさえ、感染者数は減少傾向だ。日本の政府と科学者は、なぜ感染者数の抑制に全力を挙げなかったのか。(名古屋商科大学ビジネススクール教授 原田 泰)

 新型コロナウイルスの感染拡大による惨禍を止めるには、ワクチン接種が切り札だと言われている。確かに、ワクチン接種の進んだ国での感染の収束の度合いは早い。にもかかわらず、なぜ日本はワクチン入手に遅れたのだろうか。

 例えばチリでは、米国ファイザー製、イギリスのアストラゼネカ製よりも有効性が低い中国製ワクチンを国民に接種しているが、それでもワクチンを打たないよりは一定の効果が出ているのに、である。各国の状況を詳しく見ていこう。