――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJエグゼクティブ・ワシントン・エディタードナルド・トランプ前大統領の政権下で上下両院とホワイトハウスの支配権を失った米共和党は、トランプ氏と党の新たな結び付きを作ることで大きなリスクを冒している。しかし、トランプ氏に関してはよくあることだが、同氏が生み出す論争は、もう一方の党で起きている事象から注意をそらす。民主党もまた、自ら作り出したリスクの真っただ中にある。選挙で国民から与えられた他党との差がこれほど小さい与党が、これほど広範な政策課題の実現を目指したことは、これまでほとんどなかった。ジョー・バイデン大統領は、2020年の大統領選挙の総得票数では、余裕のある勝利を収めた。しかし、重要諸州で彼が確保した得票差はずっと小さかった。そして民主党は下院で議席を減らし、上院では、選挙後にトランプ氏が起こした問題行動の影響もあってジョージア州の決選投票で2議席を得たことで、何とか共和党と同数の議席を確保した。州議会選挙では、民主党は若干の議席を減らした。同党の選挙結果は決して全面的大勝利ではなかった。
米民主党「薄氷の勝利」で広範な政策目指すリスク
6兆ドルの景気刺激策で景気過熱、急進的な文化面の主張で中道派有権者が離れる危険も
有料会員限定
あなたにおすすめ