香港に対する中国の言論統制がアートの世界にまで及んできた。昨年6月に導入された「国家安全維持法(国安法)」で勢いづいた親中派議員らが、香港に新設された美術館で中国を侮辱しているとみる作品の展示を阻止するよう要求している。  これに対し、2012年に約1500点の作品(総額1億6300万ドル=約177億6400万円相当)を寄贈したスイスの収集家は、表現の自由は守られるとした当時の確約を香港が守ることを望んでいる。  「政治家が展示作品を選定すべきではない」。ウリ・シグ氏(75)は年内に開館が予定されている「Mプラス美術館」のオープニング展覧会についてこう話す。