案の定のGDP減、
なぜ日本が顕著に落ち込むのか
2020年度の国内総生産(GDP)が、前年度比4.6%減とリーマンショックがあった08年度(3.6%減)を超え、戦後最大の落ち込み幅になったという。
自粛→緊急事態宣言→自粛→緊急事態宣言のエンドレスリピートで、日本の内需の2大柱である「消費」と「企業の設備投資」がすっかり冷え込んでいるのはご存じの通り。さらに、最近のヤケクソのような「人流抑制策」によってGDPのフリーフォールはまだしばらく続く見込みだ。
今年1~3月期の速報値も年率換算で5.1%減。ならば、3度目の緊急事態宣言が出されて、その対象地域も拡大している4〜6月期は、さらに目も当てられないひどい落ち込みになっているというのは容易に想像できよう。
「未知のウィルスと戦っているのだから、それくらい経済が落ち込むのはしょうがない」などと開き直る人も多いだろうが、日本よりも桁違いの感染者・死者を出しているアメリカの1〜3月期は、前年同期比年率でプラス6.4%と、経済を着々と回復させている。また、同じく日本以上の感染者・死者を出して、ロックダウンで経済も止めた欧州各国のGDPはたしかにマイナスも多いが、それでも日本ほど派手に落ち込んでいない。
「欧米はワクチン接種が進んでいるから」という話にもっていきたがる人も多いが、ワクチン接種率が2.3%(5月19日現在)と、日本とどんぐりの背比べ状態の韓国の1~3月期のGDP速報値は前期比1.6%増で、3期連続でプラスだ。
つまり、日本のGDPが諸外国と比べて際立って落ち込んでいるのは、「コロナ感染l拡大」「ワクチン接種率が低い」だけでは説明できぬ特殊な現象なのだ。
では、いったい何が日本経済をここまで壊滅させたのか。