だが、これはあくまでもパソコンでインターネットを使おうと考えるからだ。これから先、PLCは別の形で普及するのではないだろうか。

 今回の新製品でPLCはさらにダウンサイジングしたわけだが、近い将来、ACアダプターなどに組み込んでも目立たないサイズになることは想像に難くない。すると、PLCであることを意識せずに使える時代が来る可能性は充分にある。

 前術したようなケースなら、1階で電力線にネットを流しておけば、あとは家中どこでもコンセントにつなぐだけでインターネットに接続できるのだ。

 例えば、「デジタルカメラをコンセントに差し込んだだけで、充電と共に撮影した写真データをパソコンなどに転送する」――こんな便利なことができる可能性がある。家中の電子機器の時刻合わせも、コンセントにつないだだけでネットから自動的に時間を取り込んで合わせてくれれば楽だろう。

 最近は、電力会社が電力消費削減のために様々な取り組みを行っている。PLCを利用すると、ネット回線から情報を取れるので、家中の機器での電気利用状況がわかる。自動で制御し、無駄な電力消費を避けることもできそうだ。

 とはいえ、似たような取り組みは別のアプローチからも行われている。時刻合わせは電波時計でもできるし、デジカメの写真データは非接触で簡単に取り込める技術も出てきた。どの仕組みが普及するかは、これから徐々に決まっていくだろう。

 だが、光ファイバーが本格普及し始めているなか、今後数年で家庭内のネット事情も大きく変わってくることは間違いなさそうだ。電力線という、古いが普及し尽くしているインフラが、別の形で活躍する可能性も充分にあるわけだ。