最近、駅や街中でタレントの顔を全面に押し出した「応援広告」を目にするようになった。ファンが「推し」のアイドルを応援するために出稿している広告だ。日本の応援広告ブームは韓国から上陸したサバイバルオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN(通称:日プ)」から始まっている。タレント画像の取り扱いに厳しいことで有名なジャニーズ事務所とは反対に、日プは練習生と呼ばれるデビュー前の「アイドルの卵」たちの画像をファンに配布して著作権問題を乗り越えた。そんな「PRODUCE 101 JAPAN」と応援広告にまつわるビジネスモデルに迫る。(フリーライター 白井由香里)
韓国のセンイル広告から始まった
「応援広告」とは?
応援広告とはその名の通り、ファンが自分の「推し」のアイドルを応援する目的で出稿された広告のことだ。アイドルの顔を全面に出した広告が駅構内のポスターや街頭ビジョン、ラッピングバス、SNS広告と様々なところに出されている。
日本でも目にする機会が増えたが、発祥は韓国。本場韓国では「センイル広告」と呼ばれており、センイルとは韓国語で誕生日という意味だ。誕生日祝いやアイドルの記念日を祝う「周年祝い」、イベントや新曲リリースを祝うものがある。韓国ではコーヒー文化が根付いているので、コーヒーのカップホルダーに出稿する「カップホルダー広告」も人気だ。
韓国で応援広告が広がったきっかけは、サバイバルオーディション番組「PRODUCE 101」である。エントリーしている練習生の中から、ファンの投票でデビューできるメンバーを決めるという国民参加型の企画が人気を博した。そこからファンが自らお金を出して推しの練習生を応援するという文化が生まれたのだ。