9人組ガールズグループ「NiziU(ニジュー)」を誕生させ、日本中で大きな話題となったオーディション番組「Nizi Project」。この番組は世代を超え、若者だけでなくビジネスパーソンの間でも人気となっている。本連載では、人事領域のプロフェッショナルとして、Nizi Projectのファンでもある著者が、人事・マネジメントの観点からNizi Projectの魅力の一つ「原石を発掘して磨いていく仕組み」について解説する。連載最終回となる今回は、「健全な空気をつくる仕組み・学び合う姿勢づくり」について解説する。(LINE People Partner室 People Experience Designer 青田 努)
「蹴落とす敵」ではなく
「互いに学び合う仲間」へ
Nizi Projectを見た多くの人はお気づきかと思うが、Nizi Projectの参加者の間には、いい空気が流れていた。ここ数年のリアリティショー形式の番組は人間のドロドロした部分を見せることで話題を呼んだが、一方でSNS上などでは波紋を呼ぶ過剰な演出が問題視されてもいた。
しかし、Nizi Projectにそのような空気は(少なくとも放映された部分においては)流れておらず、全体的に「努力」「感動の涙」「助け合い」といったシーンが多かったのが印象的だ。
本連載ではこれまで「Nizi Projectにおけるスター人材輩出システム」について解説してきた。最終回となる今回は、以下の図で虹色に囲った「アサインする×競争力学の設計→学び合う姿勢」の部分を中心に、「参加者同士の良好な関係性をつくる仕組み・学び合う姿勢づくり」について解説していきたい。