自分を知ればもっとラクに走れる

 自分のことをよく知らなければ、「人生において本当にやりたいこと」や「自分が一番パフォーマンスを発揮できる場所」は見つけられません。そして、やりたいことでなければ一生懸命にもなれません。

 逆に一生懸命になれれば、何か必ず手応えがあるし、成長があります。とにかく、まず自分と向き合い、やりたいこと、パフォーマンスを発揮できることを見つけることが大切です。

 やりたいことが見つからないからといって、バックパックを背負って、「自分探しの旅」に出るという行動をする必要はありません。目的もなく旅に出ても、自分のことがわかるようにはなりません。なぜなら、自分を知るための手がかりはそうした旅の中ではなく、「自分の過去の経験のなか」にあるからです。

 毎日の日常生活のなかにも色々なヒントがあります。

 たとえば、次のようなことを頭に思い浮かべてみてください。

・あなたが笑顔になれるのはどんなときか?
・あなたがやっていて一番楽しいことは何か?
・あなたが人生でやりたいことは何か?
・逆に、あなたが人生でやりたくないことは何か?
・あなたが今までで、お金をかけてきたことは何か?
・あなたが今までで、時間をかけてきたことは何か?
・あなたが今までで、寝食を忘れて没頭したことは何か?
・あなたが今までで、人に喜んでもらったことは何か?

 このように、徐々に自分を「見える化」していくと、やりたいこと、得意な分野がわかり、そこを活かしてどんどん実力を発揮できる仕事ができるようになりますし、逆に「あ、ここが苦手だ」と、欠点にもすぐ気づけるため、改善も早くなります。フィードバックも素直に受け入れられるようになるのでスキル面でも好循環が生まれ、周囲からの信頼も得られるようになります。すると自信がついて、仕事にもやりがいを感じられるようになり、その結果、「やりたいこと」がクリアに見えるようになるのです。

「やりたいこと」があるフィールドに身を置けば、ムリに頑張らなくても、自然に成長のレールに乗れて、仕事の成果も出やすくなり人生そのものが充実してきます。

 これが、僕が考える「自分の見える化」のファーストステップです。