「人口大国」中国で加速する高齢化、中国共産党の脅威となる3つのリスク5月、10年に1度行われる中国の国勢調査結果が発表された Photo:123RF

「人口大国」であることが
中国共産党にとって重要な理由

 5月11日、中国で10年に1度の人口動態をめぐる国勢調査結果が、国家統計局によって発表された。本来であれば4月に発表される予定だったのが遅延したこと、4月末、「中国の人口が50年ぶりに減少」という報道が英フィナンシャル・タイムズ紙によってなされた(当局は直後に否定)こともあり、市場や世論からは「何かあったのではないか?」「裏で何か工作しているのではないか?」という疑念の目が中国当局に向けられていた。

 中国といえば人口大国だ。経済、軍事、教育、文化芸術、科学技術などを含め、「中国は真の大国か?」という質問に対して、回答や議論は割れるだろう。ただ、人口だけは「世界の大国」といえるだけの疑いない規模と存在感を誇る。それだけに、仮にその中身や推移に多少の変化が生じれば、それは国全体の行き先、および世界の中国を見る目に影響を及ぼす。

 結果は、14億1200万人というものであった(香港、マカオ含まず)。

 この統計発表後、上記の疑念が晴らされることはなく、数字の信ぴょう性に疑問を訴える声は後を絶たない。国としての信用度、言動や数字の信ぴょう性をどう担保し、向上させるかというのは、とりわけ習近平新時代の中国にとって永遠の課題といえる。