戦没将兵追悼記念日(メモリアルデー)の祝祭か、それとも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)からの解放記念日の祝祭か。ジョー・バイデン米大統領は5月28日、6兆ドル(約660兆円)の歳出を盛り込んだ2022会計年度の予算教書を発表し、祝祭を盛り上げた。この意図的に拡大された歳出規模は、平時の米国では前例のないものだ。連邦議会でわずかな差の過半数しか確保していない民主党は、これだけの予算について国民の負託を得ているとは言えない。それにもかかわらず民主党は、この予算の大半を、無理やり押し通そうとしている。ワクチン接種の進展によって新型コロナのパンデミック(世界的大流行)がようやく沈静化に向かっている状況下では、この2会計年度の緊急対応の支出も縮小に向かうべきだ。好調な米経済に、緊急支出は必要ない。消費者はコロナ救済資金で潤っており、需要は急拡大している。しかしバイデン氏は、コロナ禍の陰に隠れてこっそりと、歴史的かつ永続的な政府の拡大を進めている。