米政府は年間350億ドル(約3兆8400億円)規模の無線通信機器業界を一変させ、新たな競争の時代をもたらした。米企業にとって、数年前に撤退した業界に再参入するチャンスが訪れている。調査会社デローログループによると、過去5年に無線機器市場の売上高で20%を超えるシェアを獲得した企業は中国の華為技術(ファーウェイ)、スウェーデンのエリクソン、フィンランドのノキアだけだ。その他の競合は10%のシェアさえ安定して獲得できていない。しかし、そうした状況が変わりつつある。デローログループによると、サイバーセキュリティー上の懸念からファーウェイを締め出そうとする米国の取り組みに促され、世界の無線通信機器業界の6割以上を占める国々がファーウェイに対する制限措置を検討しているか、既に実施している。米国や英国、欧州連合(EU)政府はその隙を突き、国内の無線通信機器メーカーに資金などの支援策を提供し、既存3社の牙城崩しを後押ししようとしている。
5G競争、米国に巻き返しのチャンス
ファーウェイ後退で無線通信機器市場の競争が再び活発化
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