中高年の中には、若かりし頃に「いずれ新築のマイホームを持ちたい」と夢を抱き、実現した人も多いはず。しかし近年、いわゆる“新築至上主義”が崩壊しつつあり、中古物件に目を向ける人が増えているという。令和の住宅事情に迫る。(清談社 真島加代)
首都圏を中心に
ニーズが高い中古マンション
「夢のマイホーム」と聞くと、多くの中高年が新築の戸建てや新築マンションをイメージするだろう。しかし今、住宅市場は大きな転換期を迎えているという。
「地方と首都圏では傾向に違いがあるとは思いますが、中古も新築も住宅市場全体の需要が高まっています。なかでも、首都圏の中古マンション市場は伸び続けています」
そう話すのは、中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」を提供する株式会社ツクルバの事業部長・春田亮一氏。
「2016年に首都圏の中古マンションの成約数が新築マンションの成約数を上回って以降、中古マンションのニーズが高まっています(*)。新築と中古が逆転した要因のひとつは、新築マンションを建てるために必要な面積(用地ストック)が少なくなり、新築の価格が上がったこと。新築のマーケットが高騰した結果、中古物件にユーザーが流れています」
(*)…「首都圏不動産流通市場の動向(2020年度)」公益財団法人東日本不動産流通機構