香港政府は1日、住民が携帯電話番号を登録する際、本名などの個人情報の提供を義務付ける方針を明らかにした。人々の自由が一段と制限され、監視に対する不安をあおるとの批判の声が上がっている。当局者はこの変更について、法執行機関の捜査を支援するために必要で、市民を狙った電話詐欺や麻薬密売などの組織犯罪に対処する上で有益だと説明。フランスやドイツ、韓国など約155カ国が同様の措置を導入していると指摘した。反体制派の取り締まりが続く香港では、監視に対する不安が高まっており、住民はこうした動きに神経をとがらせている。6月施行の国家安全維持法に違反したとされている活動家や野党政治家は、電話のメッセージを容疑の証拠として扱われた経緯がある。