【ソウル】韓国は軍の即応能力を維持するため、世界でも長期にわたる徴兵制を敷いていることで知られる。だがここにきて、少子高齢化を背景に、兵役に就ける層自体が急速に収縮するという問題に直面している。
韓国は先進国の中で出生率が最低水準に沈んでおり、韓国軍の推定によると、来年の軍の規模は数年前よりも6分の1縮小する。向こう20年では、現行の約半分にまで細る見通しだ。
こうした中、与党「共に民主党」の朴用鎮(パク・ヨンジン)議員は、男性のみを対象とする1年半の徴兵制廃止を提案した。これに代わり、男女問わずすべての若者が数カ月間、基本的な軍事訓練を受ける制度を掲げている。同氏は次期大統領選に出馬する意向を表明している。
ただ、朴氏が来年の大統領選に勝利したとしても、徴兵制改正の実現は難航しそうだ。韓国は常に北朝鮮の脅威にさらされており、強力な軍事能力を維持することはかねて国家の優先課題となってきた。