【きんざい特別転載】二酸化炭素削減に資する新たな技術Photo:123RF

化石燃料を「低炭素化」する技術

 地球温暖化は、化石燃料由来の二酸化炭素(CO2)が大気中に放出されることによって進行する。つまり、化石燃料を使用しても、大気放出を防げば温暖化を抑制できる。そのような発想に基づく技術がCO2回収・貯留(Carbon Capture and Storage=CCS)である。化石燃料を使用する発電所や産業プラント(鉄鋼高炉やセメントなど)でCO2を回収し、地中に貯留する技術だ。

 CCSを活用すれば、従来型の発電・産業設備を利用しながら低炭素化が図れる。例えば、石炭火力発電や天然ガス火力発電にCCSを適用すれば、発電所からのCO2排出を正味8~9割ほど削減できる。また、カーボンニュートラル実現のカギとして水素が注目されているが、化石燃料から水素を製造する際にはCCSが必須となる。CCSは、電力、水素、産業など幅広い分野に貢献できる。