ロサンゼルスの空港Photo:Allen J. Schaben/gettyimages

渡航制限は続いているが
人が再び動き始めた

 コロナ禍の渡航制限は相変わらず続いている。しかし、ワクチン接種が世界的に進みつつあり、日本もものすごい勢いでキャッチアップしている。たとえば日本でのワクチン接種人数は、世界で最も早く接種を進めた国であるアラブ首長国連邦(UAE)を追い越した(もちろん人口比では劣後している)。準備が遅く、取り掛かると早いという日本の悪い癖がここでも出た形だ。

 そして、コロナ禍での2回目の夏がやってくる。すでにハワイにはアメリカ本土から人が押し寄せているという。海外旅行に行けない人たちが国内旅行先としてハワイを選んでいるのだろう。ハワイと本土各都市とのノンストップ便は再開もしくは新規開設され、アメリカ本土では、アウトドアアクティビティが盛んなコロラド、テキサス、フロリダの空港が、コロナ拡大前の2020年2月を上回る賑わいを見せている。中国でも、「中国のハワイ」と言われ、免税店の島としても有名な海南島は、国内旅行者で大変な賑わいを見せている。

 一方で、ビジネス客やインドアアクティビティが中心の大都市圏(ニューヨーク、ワシントンDC、サンフランシスコ、ロサンジェルス)の空港利用者は、当分、以前の水準に戻りそうもない。ビジネスでは、コロナ禍によってリモートワークが常態化したことで、コロナ後も元に戻ることはないと思われる。もちろん、コロナ後になれば、必要な出張は再開するだろうが、出張するほどの必要性が完全に変わってしまった。