スタンフォード大学・オンラインハイスクールはオンラインにもかかわらず、全米トップ10の常連で、2020年は全米の大学進学校1位となった。
世界最高峰の中1から高3の天才児、計900人(30ヵ国)がリアルタイムのオンラインセミナーで学んでいる。
そのトップがオンライン教育の世界的リーダーでもある星友啓校長だ。
全米トップ校の白熱授業を再現。予測不可能な時代に、シリコンバレーの中心でエリートたちが密かに学ぶ最高の生存戦略を初公開した、星校長のデビュー作『スタンフォード式生き抜く力』が話題となり、ロングセラーとなっている。
ベストセラー作家で“日本一のマーケッター(マーケティングの世界的権威・ECHO賞国際審査員)”と評された神田昌典氏も「現代版『武士道』というべき本。新しい時代に必要な教育が日本人によって示されたと記憶される本になる」と語った本とは一体なにか。
今回はスタンフォードから最新研究をお届けする。(これまでの人気連載はこちら

【スタンフォード最新研究】<br />Zoom疲れの4大原因と<br />その効果的な対策とは?Photo: Adobe Stock

目の前からグラスが自分のほうに飛んでくる。

当たる当たる当たる!

思わず体をそらして避けようとする。

バーチャルリアリティのゲームや映画の迫力に、ないと知っている仮想現実に、つい体を動かしてしまった体験は、最近ではごくありきたりになってきているかもしれません。

スタンフォード大学には、まさにこのことをテーマに研究する「Virtual Human Interaction Lab」(VHIL:仮想人間インタラクション研究室)があります。

VHILの研究室長である、ベイレンソン教授が最新の研究を発表しました。

テーマは、なぜZoom疲れは起きるのか。

そして、その対策です。

対人のミーティングよりオンライン会議のほうが10%体力の消耗が少ない*1

リモートワークは体力をセーブする*2

そんな研究結果も出てきていますが、オンラインミーティングが重なると、なんだか疲れる。「Zoom疲れ」というワードがしっくりくるのもわかります。

その場にいない人と話ができるZoomはいわばバーチャルテクノロジー。

それがどのように私たちに人間に影響するのか。

また、それをどのように対策していけばいいのでしょう?

今回はスタンフォード大学のベイレンソン教授の論文に学んでいきましょう。

【スタンフォード最新研究】<br />Zoom疲れの4大原因と<br />その効果的な対策とは?星 友啓(Tomohiro Hoshi)
スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長
経営者、教育者、論理学者
1977年生まれ。スタンフォード大学哲学博士。東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒業。教育テクノロジーとオンライン教育の世界的リーダーとして活躍。コロナ禍でリモート化が急務の世界の教育界で、のべ50ヵ国・2万人以上の教育者を支援。スタンフォード大学のリーダーの一員として、同大学のオンライン化も牽引した。スタンフォード大学哲学部で博士号取得後、講師を経て同大学内にオンラインハイスクールを立ち上げるプロジェクトに参加。オンラインにもかかわらず、同校を近年全米トップ10の常連に、2020年には全米の大学進学校1位にまで押し上げる。世界30ヵ国、全米48州から900人の天才児たちを集め、世界屈指の大学から選りすぐりの学術・教育のエキスパートが100人体制でサポート。設立15年目。反転授業を取り入れ、世界トップのクオリティ教育を実現させたことで、アメリカのみならず世界の教育界で大きな注目を集める。本書が初の著書
著者公式サイト】(最新情報やブログを配信中)

【Zoom疲れの原因1】ずっと見つめられている

ちょっとした会議で10人くらいいるとしましょう。

誰かが話しているときはその人を見たり、手元のプレゼンの資料などを見ているでしょう。

自分が参加者なら、自分が発言しない限り、他の9人の目は自分には向いてきません。

しかしZoomは、他のみんなの顔が自分のほうを向いています。

すごく見つめられている気がしますよね。

だから、対面同様、緊張してドキドキしたりします。

バーチャルでも、精神的、生理学的な反応が起こるのです。

私たちの脳が多くの人に見つめられていると感じると、気持ちや体にストレスがかかり、疲れやすくなってしまいます。

解決法としては、フルスクリーンモードをやめ、Zoomの画面を小さくし、キーボードと画面を離して画面から距離をとることで、「見つめられている感」を減らせます。