
スマートフォンが手放せない、ついついゲームをしてしまう、という人は多いだろう。大人の真似をして子どもも使いたがるが、大人と同じように使わせて良いものなのだろうか?『読書をする子は○○がすごい』(日経プレミアシリーズ)の著者・榎本博明氏は、スマホやゲームが子どもの勉強や知的発達に与える影響に警鐘を鳴らす。
ゲーム依存は脳にどんな影響を与えるか
子どもたちの知的発達にかかわる問題として、ゲームが取り沙汰されることが多い。電車に乗っていると、スマホでゲームに熱中している人をよく見かける。それも、子どもではなく大人を見かけることも多い。子ども時代、あるいは若い頃から習慣になっているのかもしれない。ゲームには、神経伝達物質ドーパミンを放出させ脳を興奮させる効果があるため、中毒性が高く、依存症を引き起こしやすいと言われる。
実際、ゲーム依存で治療を受ける者も非常に多くなっており、2018年にWHOがゲーム依存を治療が必要な精神疾患と認定し、ゲーム障害として国際疾病分類に追加した。大人も依存症に陥るほどなのだから、まだ自己コントロール機能を担う脳の部位の発達途上にある子どもが依存症に陥るリスクは非常に大きい。