米国と欧州の同盟国が抱える隔たりの中でも、最も厄介なのが中国との付き合い方だ。ジョー・バイデン米大統領は英国で開催された主要7カ国(G7)首脳による「愛にあふれた」会議を終え、今週は北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)の首脳と会談する。新型コロナウイルスや気候変動、民主主義の重要性といった問題で、欧米の協調に向けた温かいやり取りが一段と交わされることは間違いない。だが、水面下ではなお溝が残る。欧州の国防支出、デジタル課税、鉄鋼関税、航空大手の米ボーイングと欧州エアバスに対する補助金など、問題は山積だ。だが、民主主義については進展が期待できそうだ。意義ある成果を出すのに苦労するとみられるのが、対中政策を巡る意見の隔たりを埋めることだろう。
バイデン氏が狙う欧米協調、中国巡る溝隠せず
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