◆1分でできる!「ノイキャン」エクササイズ
◇心の免疫力を高める3つのポイント

 メンタルノイズを探し出せると、スッと心がらくになる人もいる。悩みの原因がノイズにあることがわかり、自分を責めなくてすむからだ。

 メンタルノイズがわかっていれば、その影響を受けないように少しずつ体質を改善すればいい。体の免疫力を高めるために生活習慣に気をつけるのと同じように、「心の免疫力」を高める「ノイズ・キャンセリング(ノイキャン)」エクササイズを行うのだ。

 心の免疫力を高めるポイントは、受け身から自発の姿勢に変えること、自分を客観視すること、切り替え上手になることだ。ノイキャン・エクササイズは、この3つのポイントに重点を当ててつくられている。本書には10のエクササイズが紹介されているが、要約ではそのうち3つを取り上げる。

◇受け身から自発の姿勢に変えるエクササイズ

 受け身から自発の姿勢に変えるためにまずやってみたいのが、「STOP(やめること)リスト」だ。「もうやめよう」と思うことを毎日ひとつ書いてみるだけである。

 TODOリストをつくると、やることが増えていってつらくなったり、できなかったときに凹んでしまったりする。ならば、やることを増やすのではなく、やることを減らす方向で考えてみよう。「寝る前に勉強する」ではなく「寝る前のスマホをやめる」といった具合だ。

◇自分を客観視するエクササイズ

 自分を客観視するには、「自分実況中継」が効果的だ。これは、何かするとき、自分の動作一つひとつを言葉にしてみるというものだ。そうすると、自分を第三者の目線で見ているような感覚になり、感情が大きく揺れるときにも冷静になれる。

 この発展版として「自分司令官」も試してみよう。これは、一つひとつの行動に先だって、これからコーヒーを淹れます、電動コーヒーミルに豆を入れます、スイッチを押します……といった具合に自分で自分に指令を出すエクササイズだ。これを繰り返すと、自分の言葉で自分を動かすシステムが潜在意識の中につくられる。

◇切り替え上手になるエクササイズ

 切り替え上手になるエクササイズとして、「水洗メンタル法」を紹介しよう。これは、嫌なことがあったときにトイレに行き、嫌なものが付いていそうな体の場所をトイレットペーパーで拭いてトイレに流すというものだ。トイレに移動するだけで冷静さを取り戻せるし、体に付いた嫌なものを流してしまったと思うと気持ちがらくになるだろう。強めのシャワーで全身を洗ったり、指を1本ずつていねいに洗ったりするのもいい。