◇14タイプの「あるある」ノイズ

 悩んだりうまくいかなかったりするとき、それをメンタルノイズのせいにするには、まずノイズの存在に気づく必要がある。見つけ方は大きく2つ。そのうちのひとつは、14の代表的な「あるある」ノイズをヒントにして、自分にあてはまりそうなものを見つける方法だ。

 ここでは、14の「あるある」ノイズを紹介する。自分にあてはまりそうなノイズを見つけると、心がらくになるはずだ。

(1)ダメ出しノイズ=自分は重要でないほうがいい
(2)ありのままの自分封印ノイズ=自分のままでいないほうがいい
(3)思考停止ノイズ=自分は考えないほうがいい
(4)他人ファーストノイズ=欲しがらないほうがいい
(5)謙虚謙遜ノイズ=受け取らないほうがいい
(6)出ない杭ノイズ=達成しないほうがいい
(7)石の上にも三年ノイズ=がまんしたほうがいい
(8)他人がこわい裏切りノイズ=信用しないほうがいい
(9)ちゃんとしなきゃノイズ=子どもでないほうがいい
(10)幸福恐怖症ノイズ=幸せにならないほうがいい
(11)完璧主義ノイズ=完璧でないといけない
(12)タイムイズマネーノイズ=急がないといけない
(13)おもてなしノイズ=喜ばせないといけない
(14)ドMノイズ=努力しないといけない

 要約ではこの14のノイズのうち、2つを取り上げる。

◇他人ファーストノイズ

 まず取り上げるのは、「他人ファーストノイズ」だ。このノイズは、言いたいことが言えない人の心の中に潜んでいる。「今日は肉が食べたかったのに、反対されるのが怖くて言い出せない」「手伝ってほしかったけど、結局遅くまで1人で残業する」などが他人ファーストノイズの「あるある」な症状だ。

 他人ファーストノイズは、家族に気を遣った経験から生まれる。子どもは家族とのやり取りの中で「自分の家がお金持ちなのかどうか」「お父さんやお母さんは忙しい人なのかどうか」をなんとなく察知し、気を遣うことを覚え、自分の欲求をそのまま口に出さなくなる。そのクセが大人になっても続くのだ。