在宅での生活が続く昨今、子どもとのコミュニケーションで悩む親が増えているといいます。いつも以上に子どもと過ごす時間が増え、つい気になって口出ししてしまうのかもしれません。しかし、そんなダメ出しを少し言いかえるだけで、子どもはやる気を出し、自ら動けるようになるまで変化します。そこで今回は、プロコーチの田嶋英子氏の『叱りゼロ!「自分で動ける子」が育つ魔法の言いかえ』(青春出版社)から、子どもの「自己肯定感」を高める親の言葉を紹介します。
先進国で「自己肯定感」が最も低い日本の現状
日本は、先進国の中で「自己肯定感」が目立って低い国です。内閣府の若者(13歳から29歳)を対象にした調査によると、「自分に満足しているか」という問いに対して、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどが軒並み8割超え、お隣の韓国でも7割がイエスの回答です。
ところが日本ではイエスの回答は、たったの45パーセント。半分以下です。「自分には長所があるか」という問いに対しての回答は、イエスは7割弱です。どちらの問いも各国の中で最下位です。
日本人のこの「自己肯定感」の低さと、若年層の自殺が増え続けている(自殺者全体の数は減っています)ことには関連性がありそうです。「何かができる」(有能、有益)、「何かを持っている」(所有)のような根拠がなくても「自分には存在する価値がある」と思えるという感覚を育むのに、家庭は重要な役割を果たします。