このクセに自分で気づいて「やめよう」と思えるようになることが、他人ファーストノイズをクリアするための第一歩だ。いきなり自己中心的になることはできなくても、まずは自分の「イヤ」「本当はやりたくない」という気持ちに気づけるようになればいい。そして、少しずつでいいので、やめられることはやめていく。やめられそうにないことは、「自分はイヤだけどやっている」と自覚するだけでもいい。最初から全部を変える必要はない。
◇完璧主義ノイズ
次に取り上げるのは、行動力がない人の心の中にある「完璧主義ノイズ」だ。「あるある」な症状としては、「絶対に失敗したくない、失敗したと思われるのが怖い」「仕事で部下や後輩が育たない、子育てでいつもイライラして疲れ果てる」などが挙げられる。
このノイズは、ミスが許されない環境でつくられる。「明日のテストは、絶対に100点とりなさいね」などと言われつづけて、「完璧でないと生きていけないんだ」と思ってしまうのだ。
世の中に「完璧なもの」などない。あなたにとっての完璧は誰かにとっての未完成かもしれないし、誰かにとっての完璧はあなたにとっての未完成かもしれない。だから完璧ではなく、「今のベスト」を目指すようにしよう。
◆日常で発動するノイズに気づく「裏表思考法」
◇引っ越しのメリットとデメリットは何?
自分で何かをやろうとしてもうまくいかないときは、「うまくいかないほうがいい」という本音・本心が、あなたにブレーキをかけている可能性がある。そこで活用したいのが、メンタルノイズを見つけるためのもうひとつの方法である「裏表思考法」だ。「裏表思考法」について説明する前に、簡単な頭のトレーニングをしてみよう。
あなたは、今より広い家に引っ越そうとしているとする。まず、引っ越すことでどんな良いことがあるか、考えてみよう。趣味の部屋をつくれる、大きなソファを置けるなどといったことが思いつくかもしれない。
では、引っ越すとどんなことが困るだろう。家賃が上がる、エアコンがもう一台必要になるなどといったことが考えられる。
ここで思いついた良いことも悪いことも、すべてあなたの潜在意識から出てきたものだ。このトレーニングから、ものごとには必ずメリットとデメリットがあるという教訓を得られただろう。