コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、大塚ホールディングスやエーザイなど製薬業界の5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
5社中3社が減収
製薬業界の現在地は?
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は、6月17日配信の記事『武田薬品・中外製薬・第一三共…製薬4社がそろって減収に陥った各社の事情』に続いて以下の製薬業界5社を取り上げる。対象期間は21年1~3月の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・大塚ホールディングス
増収率:マイナス0.8%(四半期の売上収益3368億円)
・エーザイ
増収率:マイナス29.6%(四半期の売上収益1476億円)
・協和キリン
増収率:4.9%(四半期の売上収益811億円)
・塩野義製薬
増収率:マイナス7.5%(四半期の売上収益728億円)
・小野薬品工業
増収率:10.8%(四半期の売上収益744億円)
次ページからは詳細の数字とともに、その要因を解説する。