同じ商圏の中で自粛要請を破って営業する多くの店が繁盛し、真面目に守っている店が損をするケースが多発した。

 飲食店のこうした動きに対して、1年前の1回目の緊急事態宣言時とは、飲食店の顧客だけでなく近隣住民など周囲の反応も異なる。「制限の方が無理筋だ」と思う人が増えたのだろう。

「まん防の飲食3制限」の直接的害悪
感染防止策の実行を難しくする

「営業時間制限」「酒の提供制限」「滞在時間制限」の「まん防の飲食3制限」について、撤廃すべきだと考える理由を補足する。

 そもそも飲食店の営業時間を制限されると、その時間に飲食客が集中し、「密」が発生しやすくなる。電車の間引き運転が満員電車を生んだのと同じ愚策だ。

 また現実問題として、「19時ラストオーダー、20時閉店」では、サラリーマンは安心して残業もできない。自炊には時間と手間が掛かるし、夕方は腹が減るので、特に独身のサラリーマンには深刻な問題だ。なぜ彼ら彼女らを、このようなひどい目に遭わせなければならないのか。彼ら彼女らの目には小池百合子都知事の顔が、夕食を満足に食べさせてくれない「鬼母」のように見えるのではないだろうか。当人は「しつけ」のつもりかもしれないが、これは「虐待」に近い。

 飲食店側も、席間を空けて適切に入店人数を制限して営業するとさばける客の数が減るので、当然採算が取りにくくなる。

 営業時間は、来客の集中を避けるために制限するのではなく、むしろ拡大する方が適切だ。消毒等を徹底するためにも手間と時間が掛かる。営業時間の短縮は、感染対策の不徹底にもつながりかねない。

 感染防止に有効なのは、(1)席間確保、(2)換気、(3)衛生対策、(4)適切な入店人数の設定、(5)顧客への静かな会話の要請、だろう。営業時間や酒類提供、滞在時間の制限はいずれも、これらを難しくする。