フランスの医師らはそれを「免疫の負債」と呼んでいる。新型コロナウイルス下で人々が互いを避けたため、通常の接触を通じて身につけるはずの各種ウイルスへの免疫を獲得できなかったという。  日常生活を再開すれば、社会がこの「負債」を返済する日が――ウイルス性疾患の並外れた大流行という形で――来るかもしれない。  6月初め、1歳4カ月の月舘虎之允(つきだて・とらのすけ)君は、一般的なウイルスに感染し、41度を超える高熱を出した。母親の美和子さん(27)によると、通っていた東京の保育園で急にはやり出したという。虎之允君は1週間入院し、酸素治療を受けた。