米建設スタートアップのカテラはベンチャー資金を集め、建設業界に革命を起こすことを目指した。だが同社は6月、破産申請に追い込まれた。シリコンバレー流の手法がこうした複雑な業界でディスラプション(創造的破壊)を引き起こすことが、いかに困難かをこの事例は物語っている。カテラの経営破綻によって投資家の30億ドル(約3300億円)近い資金が消えた。同社は最も潤沢な資金提供を受けながら破綻した米新興企業の一つとなった。カテラの構想は、窓やプレハブの壁、電球の製造に至るまで、建設の全プロセスを一括管理することで、時間とコストを削減するというものだった。同社はこのアイデアをソフトバンクグループ(SBG)のほか、ソロス・ファンド・マネジメントやカナダ年金制度投資委員会(CPPIB)といった大手機関投資家に売り込んだ。ピーク時には同社に60億ドル近い評価額がついていた。