決して忘れてはならない最も重要なことは、中国共産党が人を殺してきた歴史だ。共産党は1930年代に延安まで撤退し、第2次世界大戦で日本と戦ったのはほとんど蒋介石率いる中国国民党だった。毛は1949年に内戦に勝利し、他の共産主義者と同様、反対派を粛清し完全支配へと踏み出した。それからの数十年は世界史で最も凄惨(せいさん)だった。肩を並べられるのはスターリンが行った粛清だけだ。大躍進政策は大飢饉(ききん)をもたらした。文化大革命では、毛は紅衛兵を世に放ち、背信行為やブルジョア的な傾向の疑いがある人を痛めつけた。数百万人が辺地に追放された。毛の支配した時代には人知れず命を落とした人が数百万人いるとみられる。