ハーバードビジネススクールで企業戦略やビジネスモデル戦略を教えるラモン・カザダスス=マサネル教授は、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの事例を同校の授業で取り上げている。オリエンタルランドの戦略がハーバードから注目を集める理由とは何か。学生たちが議論する内容を交えて、語ってもらった。(聞き手/作家・コンサルタント 佐藤智恵)
なぜ「東京ディズニーリゾート」を
ハーバードの授業で取り上げたのか
佐藤 カザダスス=マサネル教授は、昨年4月、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドをテーマとした教材「株式会社オリエンタルランド―東京ディズニーリゾート」を出版しました。
この事例をハーバードビジネススクールで教えたいと思った動機は何ですか。
カザダスス=マサネル 私が東京ディズニーリゾートに興味を持ったのは、同社が私たちハーバードの教員や学生の常識とは異なる運営方法で成功しているテーマパークだからです。
これまでハーバードの企業戦略の授業では、しばしばウォルト・ディズニー・カンパニー(以下、ディズニー)の事例を取り上げ、持分保有割合テスト(Ownership Test)に焦点を当てて議論してきました。